クラフトビールとは?その2-3

「クラフトビールって何?」
「地ビールと 『クラフトビール』 って同じじゃないの?違うの?」

さまざまなところで、それぞれに語られています。
ちなみに、現代の百科事典 wikipedia で 『クラフトビール』 を調べてみると、「地ビール」 のページに転送されます。
果たして、『クラフトビール』 と 『地ビール』 は同じものなのでしょうか?

日本ビアジャーナリスト協会 (JBJA) 会長の藤原ヒロユキ氏のコラムがとても興味深いので、ここにご紹介。

(シリーズの最初の記事はこちら)


「クラフトビールとは?その2の3 : 工業から工芸、そして芸術へ」
2013年1月04日 - 日本ビアジャーナリスト協会

『クラフトビールとは?その2の3: 工業から工芸、そして芸術へ』 ~藤原ヒロユキ~

先日、「クラフトビール」 は 「工芸品」 であり 「作品」 に他ならない。と書いた。

詳しい内容は一昨日2013.01.02と昨日2013.01.03のコラムでご覧いただける。
今日はその続きである。

「クラフトビール」「作品」 であるからには、
まず、
「何を描き、何を表現したいのか?=どんなビールを造り、飲み手になにを伝えたいのか?」
というコンセプトと思い入れを、ブルワーが明確に持っていることが重要だ。

さらに、
「それを描きあげる為の画材を厳選しているか?=醸造に必要なエキップメントと原料を選んでいるか?」
も大切だ。造りたいビールに適した醸造設備と吟味した原料が必要である。

そして、
「それを描きあげる描写力=醸造技術を身につけているか?」
ということが求められる。腕がなければ、伝えたいことも伝わらない。

つまり、私の中での 「クラフトビール」 とは、以下の様なビールである。 

「造り手がどんなビールを造りたいかというコンセプトを明確に持っている」
「そのビールを造り上げる醸造設備が整い、原料を厳選している」
「そのビールを造り上げる技術を持ったブルワーがいる」

徹底的に古典を突き詰めるというコンセプトもいいし、前衛を追い求めるもいい。
醸造規模の大小を問題にする必要はなく、コンセプトを具現化できるエキップメントと材料が大切だ。
そして、技術は絶対的に必要である。
まともな温度管理や衛生管理もできず (せず?) 偶然出来上がったものをニュースタイルと呼ぶような勘違いは、ラクガキを抽象絵画と呼ぶ以上に罪深い。

そして、これこそがクラフト (工芸) から芸術 (アート) へ進化する道程に他ならない。

「ビール=アート」 こそ、目指す道である。

作品として胸の張れるビールがクラフトビールであり、アートビールだと思う。

「インダストリアル (工業的)・ビール」 から 「クラフト (工芸) ビール」、そして「アート (芸術) ビール」 へ。
今後の進化が楽しみである。

あなたにとっての、クラフトビールとは?
考えてみる時期なのかもしれない。

(了)

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